2016年に斉藤洋さんの児童文学を元に制作された映画「ルドルフとイッパイアッテナ」を鑑賞しました。
家から出たことがないルドルフという猫が、興味本位で外に出かけたことがきっかけで大都会にたどり着き成長を遂げるという内容の映画でした。
この作品を見て思うのは、いい点も悪い点もあるということです。
この記事では、映画「ルドルフとイッパイアッテナ」を見ての感想を書いていきます。
映画「ルドルフとイッパイアッテナ」のあらすじ
この物語は、小学生のリエちゃんという子が飼っているルドルフという黒猫の話です。
ルドルフは、リエちゃんの家から出たことがないのですが可愛がられていました。
ある日、リエちゃんが外出する際に玄関がキチンと閉まっていなかったことがきっかけにルドルフが外の世界に飛び出します。
ところが、外の世界でさまざまなトラブルに巻き込まれトラックの荷台に誤って乗ってしまったことから都会に行き着いてしまいました。
どうやら、岐阜から東京都江戸川区という400km以上の距離をルドルフは移動していたようです。
果たして、ルドルフの運命はどうなるのでしょうか。
序盤:ルドルフとイッパイアッテナの出会い
リエちゃんの家に戻ろうとするルドルフの前に、虎柄の大きい猫が立ちふさがるんですよね。
その虎柄の猫は、野良猫で人々から食べ物をもらったりしながら様々な名前で呼ばれていたことから「名前はいっぱいあってなあ…」とルドルフに答えていました。
ルドルフは、「イッパイアッテナなんて変わった名前だね」と「イッパイアッテナ」という名前だと勘違いをしてしまいます。
イッパイアッテナは、ルドルフが今どんな状況でいるのかを理解していたため自分の寝所に招き一緒に生活できるようにして上げました。
ただ、野良猫のルールや生活の方法がわからないと生きていけないため、イッパイアッテナから人間との関わり方や人間の言葉などを教えてもらうようになりました。
中盤:イッパイアッテナから野良猫の生き方を教えてもらう
神社の下で寝床は確保していたのですが、食べ物については自分たちでなんとかするしかありませんでした。
イッパイアッテナ「野良ってのはジッとしてりゃ、生きてけねえんだよ」
イッパイアッテナは、街に繰り出し人間から食べ物を恵んでもらう方法をルドルフに教えました。
また、学校に行き人間の言葉を知ることの重要性をルドルフに教えるんですよね。
イッパイアッテナ「ハハハ、黒猫が縁起悪いことを今どき知らないには教養がない証拠だ」
どんな過去があるのだろうとルドルフは、イッパイアッテナについて気になり始めます。
ルドルフは、ブッチーという猫と出会いイッパイアッテナが飼い猫だったこと知ります。
イッパイアッテナは、飼い猫だった時に主人がアメリカに行ってしまうため手放されてしまい野良猫になったのだそうです。
その代わりに、主人から人間の言葉をみっちりと教えられました。
[char no=”1″ char=”もん”]手放さなきゃいけないのはわかるけど、イッパイアッテナを誰かに預けるとか選択肢があったと思うけどなあ[/char]
ルドルフは、イッパイアッテナの教えのおかげでひらがなや漢字、土地の名前などを読み書きできるようになりました。
終盤:ルドルフとイッパイアッテナの別れ
ある日、ルドルフは岐阜へ行くバスツアーのポスターを見つけました。
これで、飼い主の元に帰えることができると思ったルドルフは最後に「お肉が食べたい」と要望を出します。
バスツアーの出発前日に、イッパイアッテナが肉を調達するためにデビルという犬に相談しにいきます。
ところが、イッパイアッテナはデビルにやられてしまい身動きを取ることができなくなりました。
ルドルフは、これまでイッパイアッテナにお世話になったことなどを振り返りデビルに復讐をし岐阜行きのバスも諦めることにしました。
イッパイアッテナが元気になり、よく出かけるようになりました。
どうやら、ルドルフが再び岐阜に帰る手段を見つけるためだったようで車を乗り継いでいくという手段があることがわかりました。
ルドルフは、地理の勉強を必死で行い車を乗り継いで岐阜にあるリエちゃんの元に帰ることができました。
しかし、リエちゃんの元にはすでにルドルフという同じ名前の猫がすでに飼われていました。
元の家に居場所を無くしたルドルフは、再びイッパイアッテナの元に戻り幸せに暮らしました。
映画「ルドルフとイッパイアッテナ」の感想
映画を鑑賞し、ルドルフの恐怖に立ち向かう姿や時々イッパイアッテナの名言が心に刺さり感動して泣きました。
どんなに絶望的な状況でも、その困難を乗り越えていく姿や仲間を救いたいという気持ちも伝わりましたし、いい作品だったなあと思います。
ただ、この作品はいい点もありますが見方によっては悪いところもあると感じます。
映画「ルドルフとイッパイアッテナ」のいい点
この映画は、アニメ作品ということや話がわかりやすいため子供向けでありながら大人にも伝わる作品だと思います。
CGもきれいですし、自由に動き回る猫の視点で描かれているから単純にかわいかったですね。
イッパイアッテナの名言や生き抜くために自分が変わって、世間に適用しなければならないということもどんな状況であっても乗り越えられるようにも思えてくるし、見ていてスカッとしました。
映画「ルドルフとイッパイアッテナ」の悪い点
ただ、捉え方によっては猫がかわいそうで人間がひどいというように見えてしまいます。
まず、野良猫に食べ物を与える人がいるから大丈夫だという考え方がちょっと嫌でした。
現実では、食べ物を与える人って少ないと思います。
もし、この作品を見て飼っていた猫を手放しても誰かが拾ってくれるなんて考えになってしまうのではないかと心配になります。
それに、ルドルフの飼い主も必死に探したのかはわかりませんが結局、同じ種類の猫ならなんでもよかったのかと思うとやるせないですね。
確かに、飼い主からすれば寂しいから猫を飼いたいと思うのですがこれまで一緒に過ごしてきたルドルフの替えがきいて生活ができてしまっているのもルドルフがかわいそすぎます。
また、イッパイアッテナの飼い主についてもアメリカに行くというのに日本語を教えて、そのまま野良猫にするってまともな考え方ではないように思えました。
最終的に、またイッパイアッテナをしれっと飼い始めるのですがアメリカに行っている間に怪我とかしていたかもしれませんよね。
そのことを考えると、猫よりも人間の方が気まぐれでいやだあという見方もできるのではないでしょうか。
「絶望は愚か者の答え」は誰の名言?
いい点も悪い点もありましたが、作品の中で気になる名言がありました。
ルドルフが絶望であった時にイッパイアッテナが「絶望は愚か者の答え」という名言を残しています。
おそらく、この作品の中で一番言いたいことだと思いますが、そもそも誰が言った言葉なのか気になりますよね。
1800年代にイギリスのベンジャミン・ディズレーリという政治家・小説家が残した言葉なのだそうです。
この言葉は、愚か者は落ち込むけど賢い人は諦めず行動し続けて希望を見出すという意味を持っています。
最初にルドルフがリエちゃんの家を飛び出したことも、ルドルフにとって本当の幸せを見つけるための一歩だったと思います。
結果的に、誰でも良かった猫のままではなく最高の友達に出会うことができたのもルドルフが賢い猫だったからだと思います。
色々、悲しいこともありますがルドルフのように困難に立ち向かえる人間になっていきたいですね。
まとめ
今回は、ルドルフとイッパイアッテナについて書いてみました。
映画を見て、ルドルフの絶望と乗り越えるための行動に感動してしまいました。
今の現状に満足せず、何かを変えるためには多少なりとも傷つかなければいけないのだと教えてもらった気がします。
見方によっては、いい点もあるし悪いところもありますがルドルフの成長する姿に感動しました。
僕としては、夏におすすめできる作品ですし「★★★★☆」というところですね。